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彼がスパークリングワインのコルクを抜く。
そして、グラスに注いだ。
シュワシュワとした黄金色の気泡を見つめた。
「乾杯」
彼は穏やかに笑い、グラスを重ねて来た。
私も笑い返した。
カチンと重ねたグラスの心地よく響く。カーテンが開いた硝子の向こうに見えるのは横浜の夜景。
硝子に私たちの姿を映し込ませていた。
二人でスパークリングワインを飲み、硝子越しに夜の街を見つめた。
私はサンドイッチを摘まみ、空腹を満たす。
「俺もシャワーを浴びるよ」
「あ、はい…」
「食べ終わったら、奥のベットで待っててくれ」
蓮人さんはそう言って、テーブルにグラスを置き、バスルームに消えた。
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