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買い物に行くだけだったのに、なんでこういうことになるんだか。
「亮介!」
うわ、いるかさん…なんでいるんだ。無視しなくては。そのまま無言で立ち去ろう。
「ちょっとぉ!無視しないでよ」
肩を掴まれた。くそー、身長がそんなにないからな、俺。
「忙しいんですよ」
「もー!あの女とも付き合いたいってこと?ねー」
助けてくれ〜誰か〜
「いるかさん。なにしてるんですか?」
「いやだ。絵里ちゃんじゃないの」
うわー最悪!なんでいるんだよ。
「亮介くんとなんの話を?」
「なに?関係ないでしょ?」
やばい…慌ててその場を立ち去った。あの2人も揉めてるし。なんなんだよ…。俺を追いかけてはこなかった。
「お兄さん、暇?」
「え?」
誰だこの若い子。いきなり話しかけてきた。
絶対知り合いじゃない。
「私と遊ばない?」
ナンパ…?
「結構です」
なんでこんなに女に寄って来られるのかわからない!モテなくていいときに、モテたってしょうがない!はぁー早く家帰りたい。
帰る途中、安菜さんから電話が…
「亮介、まだ決まってない?」
「…はい」
「ミュージカルやってる劇団なんだけど、そこ受けてみない?」
「あの、安菜さん。なんで俺にそんな親切なんですか?」
「だって、亮介って劇団のこと以外できないから。礼儀もなってないし。で、受けるの?」
「…受けます」
「わかった。連絡しておく」
「…お忙しいのにすみません」
「大丈夫よ〜もうホテルに帰るだけ。待ってるのは、食事だけ。寂しい女でしょう?」
「えーと…」
「あなたが、そもそも殺人なんてしなければ…!」
「もう切ります」
なんなんだよ。意味わからな…
あー!あんな感じの会話を誰か聞いたんだ。
紛らわし!
そして、後日。安菜さんの紹介した劇団の面接を受けたら、すぐに受かった。はぁ、勘違い男な俺、ださ。
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