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「いや、だってそうだろ?その電話は亮介を相手にしてたわけじゃなくて、演技だったんだろ?しかも、お前をわざわざ…直々にこの劇団に入れてくれって…」
「…えー、そうなの?困るな」
「困るなよ」
「彼女いるんだけどな」
「ちゃんと話してみろよ」
「嫌だ。安菜さんとか話にならない。仕事掛け持ちしすぎて、会話中に役になろうとする」
「…お前、そんな話す機会があるのかよ」
「そんなにはないけど」
「誰もちゃんと話したことないはず」
なんでコミュニケーション取らないんだか。
「とにかく。先輩は、俺がやっぱりこの劇団は合わないって思って面接中に帰ったことにしておいたらいいんじゃない?」
「そしたら安菜さんのプライドが傷つくんじゃないか?」
「そんなの知るかよ」
「いや、俺は話したことないんだよ。上のやつに話が来て、人事もしてる俺に伝わったわけ」
「じゃ、直接電話するよ。しょうがない」
「い、今かよ!稽古してるって!」
「休憩時間は?」
「…今頃かもしれない…でも、俺のメンツどうなる?」
「先輩も電話聞いてて」
「え!?やばい話になったらどうすんだ!」
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