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探査
朝が来て昼が来て
昼が来て夜が来る
それを面倒事のように語るスーツ姿の女性の
向かいの椅子にはプラダのネクタイぶら下げた若者
その横で俺はお釣りを間違えた店員の名前を思い出していた
記憶にある財布の中の小銭と
現実の硬貨が合わなくて
俺の何かが警告音を鳴らしている
記憶を順繰りにたどり
意識が横文字の店員にたどりついた時
かじかんだ手の震えが止まった
セットした覚えがないタイマーをスマホが鳴らし
俺は朝の次は夕方が良いという会話をバックに歩き出す
「それは極夜っていうんだよ」
俺にも聞こえないくらいの小声で俺が呟く
歩きはじめは左足からにするべきだった
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