魔女と呪いの模様

6/7
前へ
/7ページ
次へ
彼は彼女の話を聞き終えると 彼女を森の外へ連れ出し 神官様へ相談することにしました。 二人が森の入り口まで来ると そこには魔女がいました。 黒い布で身体を覆い 節くれた杖を持っていました。 そうして忌々しそうに 「やっとあとちょっとで 仲間ができるところだったのに」 と言いました。 猟師の彼は、矢をつがえました。 そうしてヒョウッと矢を 魔女に向かって放ちました。 魔女は老婆とは思えぬ速さで 杖で矢を受け止めましたが、 何本目かの矢が 魔女の顔に突き刺さりました。 「ぎゃぁあ」 と言った魔女は転げまわり、 その拍子に魔女の身体を覆っていた布が 魔女の身体から外れました。 二人は驚きました。 魔女は長い長い毛に覆われて 手や足は猛獣の様な長ーい爪が生えて 世にも醜い生き物だったからです。 彼は魔女に最後の一本の矢を 心臓に向かって放ちました。 「ひぎゃぁあああああ」 魔女は甲高い悲鳴を残すと どさりと倒れ、身体が砂のように崩れ 後には黒い布切れだけが残りました。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加