目が見らんない

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 易者はキッパリと言った。 「あなたですね。つまり恋」 「違います。心配性だからよ」 「恋ですね」 「違います」 「恋ですね」 「だあーッ、そこは気を利かせて心配性って言いなさいよトンチキ易者ッ!」  由衣の恋する心が生き霊となって啓介に憑りついていた。予想外の顛末に啓介は照れたらいいのか困ったらいいのかわからない。一方の由衣は頭を抱えている。 「そこらの易者に恋心をカミングアウトされちゃった、私の気持ちを考えてよねッ!」  そ、そこらの……。易者はショックを受けているようだった。
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