目が見らんない

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「これまで意識してないだけで、無意識下ではまた違う答えがでるかもしれませんよ」  無意識、ねえ。その言葉で由衣は何かひらめいたらしい。ポンと手を打った。 「易者さん、お祓いができるんならその逆もできる?」 「エッ、逆ッ?」と易者。  お祓いの逆。不吉な文言に啓介はギョッとした。 「俺にいったいなにをしようってんだよ」  由衣と易者はゴニョゴニョと耳打ちし合っている。 「ああ、なるほど! それは名案ですね!」 「おいおい、ふたりして何を企んでるんだよ」  易者は大幣を手にして左右に振ると、厳かな表情で呪文を唱え始めた。
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