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「あああっ、、、」
真っ直ぐ下に垂れていた水の糸が弧を描いてシーツを濡らした。
そこへ綾野はボディピアッサーを充て、パチンと音を立て引っ張っていた陰茎の裏筋に光る石を固定した。
再び甲高い李子の叫び声が響く。
しかし淫剤が回り出した李子の腰は引くどころか前へ突き出され、妖しく小刻みに右へ左へと振れる。
身体は常に軽い痙攣に包まれていたが、その顔はうっとりとしていた。
痛みと平行し物凄い快感が尻の奥から能内、それから亀頭へと分かれ、突き抜けたのだ。
通称『飼い慣らし』と呼ばれる性奴隷への初段階処置である。
「こういったことに耐性の無い今が一番初々しく、愛するに値しますね」
綾野はシャツとスラックスの前だけを開けて悶える李子の背中に身を合わせ、見た目には優しく抱き寄せながら吊られている手に指を絡ませて不自然に捻る。
「痛、ぃ、、、」
痛みの程度は皮膚の歪み具合からも相当だと思われた。
手首を締めているロープの元がギシギシと鳴る度、李子の顔は苦悶と恍惚の表情を交互に作り、首を振り続けた。
いまや本人の意思と身体は乖離し、シーツの上でつま先立ちながら着いた膝は大きく開ききって、背後の綾野が時折押し付けるタトゥー入りの勃起を乞うように、僅かに尻を上げたり下げたりしていた。
「痛みと同時に快感を得る。
何もされないのは逆に辛いだろう、李子君?
ですので解さず挿れるのは痛いでしょうが、きっとプラチナロック(純度の高い覚醒剤)並に脳が悦ぶよ」
綾野は自らの猛りをいくらか弄んでから、震え開く双臀の間に存在を知らしめるべく先端を打ちつけた。
「うっ、、ぅ、、、っ」
李子は唇を噛み締める。
「水無月さん、僕を殺るならチャンスは今しかありません」
国から送り込まれた殺戮者を前にして綾野は無防備と言わざるを得ない状況なのだが、このあたりの肝の据わり具合はマフィアの長を治めるに必要な資質でもあった。
「欲しがってるじゃねぇか。
無駄口はいいからさっさと突っ込めよ」
「ふ」
綾野は微笑みながら目を閉じ、李子の尻へと腰を進めていった。
「ぃぁぁっ、、、」
白い歯の隙間から小さな叫びが漏れ続け出た。
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