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「それで、毒の混入方法は?」ガマ警部が気を取り直すように尋ねた。
「はっ! 被害者が所持していた水筒のお茶から、青酸カリの成分が10グラム検出されました。このお茶を飲んで死亡したとみて間違いなさそうです。あ、水筒に毒が混入されていたことは内密に願いますよ。警察関係者しか知りませんので」
「わかった。それで、死体はこの教室で発見されたのか?」
「そのようです。教室の鍵は開いていたとのことでした。どうも施錠を忘れていたようですね」
「死亡推定時刻はいつなんですか?」木場が割り込んだ。
「死後硬直がかなり進んでいましたから、昨日死亡したものと見て間違いなさそうです。被害者は昨日の午前中、補習を受けるために学校に来ていました。その後、午後から担任の面談を受けましたが、以降の行動は判明していません」
「つまり、死亡推定時刻は昨日の午後ということだな。他に何か情報は?」ガマ警部が尋ねた。
「はっ!昨日補習を受けていた生徒の中には、被害者と関係の深い生徒が数名おりました。また、今朝死体を発見した生徒も被害者と同じクラスでした。全員進路指導室で待機させておりますが、話をお聞きになりますか?」
「そうだな。後はその、被害者と面談をした担任にも話を聞いてみたい。担任はどこにいる?」
「はっ! 実はその担任というのが先ほど申しました化学教師でして、今、化学実験室の捜査に立ち会っているところです。実験室に行けば会えると思います」
「そうか、それだけわかればいい。"ご苦労"だったな」
「はっ! 光栄であります!」
渕川が鼻の穴を膨らませて敬礼をした。木場は今聞いた情報をメモに書きなぐった。
[木場の捜査メモ]
・被害者 児島沙絢。3年1組の生徒。
・死因 毒殺。被害者の水筒のお茶に青酸カリ10グラムが混入されていた。毒は化学実験室から持ち出された。実験室の鍵は3日前から紛失していた。
・死亡推定時刻 7月30日の午後。
・死体発見現場 3年1組の教室。
・死体発見時刻 7月31日9時頃。
・第一発見者 被害者と同じクラスの生徒。
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