第22章 決別

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久しぶりに戻った大学は何も変わっていなかった。 でも気付いたことがある。 私はまだ二十一歳の女の子で、そしてとても魅力があるってことに。 このところの私のすべては、失った赤ちゃんのことだった。 そして同時に考えていた。 あの子はほんとは誰の子供だったのかということを。 タイミングから考えるとトキさんに間違いはないと思う。 でもいつも考えてしまう。 でも、と。 そしていつも結論はおなじだ。 私が愛した人の子供には間違いはないのだからと。
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