第19章 孕む

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何度トキさんに電話を掛けてもつながらない。 ラインのブロックを解除し、桃子が妊娠しました。すぐ連絡くださいとメッセージを送った。 しばらくすると既読になり、すぐ電話が掛かってきた。 「もしもし。桃子ちゃんが妊娠したってほんと?」 「そんな嘘つくと思いますか?」 「いや。でも。桃子ちゃんからはなにも...」 「それは私も聞きました。どうして言わないのって。そしたら堕ろせって言われるのがこわいからって」 電話の向こうからトキさんの動揺が伝わる。 「だから桃子は何も言わないで、一人で産んで育てるって決意しています」 「一人でなんて、そんな馬鹿な。子供はそんな簡単なものじゃない...」 「トキさん、逃げないですよね?」 「でも。まさか。あれほど気をつけていたのに」 「初めての時、つけてなかったんですよね?」 トキさんが息を呑む。 「あの時は...。何も用意してなくて...」 「膣中(なか)に出したんですか?」 「...」 「どうなんですか?否定しないんですか?」 「わかった。ひとまず桃子ちゃんに確認する」 電話が終わったあとも鼓動が激しく打っていた。 ふと桃子が気になり”OFF TIME”に戻ると、そこにはもう桃子の姿はなかった。
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