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この国の軍には様々な名前の兵士たちがいる。
「桂馬」や「飛車」「金将」など、いろいろな動きの特徴を持った兵士たちを王様は召し抱えていた。
ああ……今頃「歩兵」のやつはどうしているのだろうか?
王様は可愛い配下だった「歩兵」に思いを馳せた。
いつか帰ってこいよ。王様は心の中でつぶやく。
この世界のルールでは、敵の捕虜となった兵隊は敵側が自由に使えるということになっている。
王様が可愛がっていた「歩兵」も例外ではなく、敵国に取られてしまったのだった。
まさにルール通り。
そのルールこそが、この国から馬丁が離れていった唯一にして最大の理由である。
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