01、プロローグ

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01、プロローグ

「貴女、悪役令嬢ではないの?」 目の前のブロンドヘアーの小動物系の美少女は、こちらの腕を掴み引き止めると開口一番にそんなことを投下してきた。 「悪役令嬢と言う言葉は聞き覚えがありますが、私がそれなんですの?そんな面倒臭いことを何故しないといけないのか、理解に苦しみますわ」 なんとか絞り出した貴族令嬢言葉でそう返すと、美少女の顔は若干青ざめた様子。 「だって、ここは『プリンセスロード』の世界で、貴女はその世界の悪役令嬢の設定なはずなのに」 その言葉に、ようやく意味が理解できた。 「ああ、なんだ。やっぱりこっちってそれ系の場所なんだ。けど、もっぱらRPG派で乙女ゲーってほぼやったことないんだよね」 やっぱり、砕けた本来の話し方が一番。 「えっ?あなたも。でも、知らないの?全く?」 「乙女ゲーに転生ってのは、漫画では見たことあるけど、乙女ゲーというか、恋愛シミュレーション自体嫌いたったから、さっぱり」 「だから、あの巻き髪も濃い化粧もなく、ベリーショートの眼鏡なの?」 「うわっ、悪役令嬢そのもの、そんなん無理。あっ、この後すぐ、仲間とダンジョン行くから、もう行くよ」 「えっ、だって。あなたがイジメないとストーリーが……」 「それ他の誰かにやらせておいて、ウチは冒険者業に忙しいから」 「えっ。冒険者?」 「そう、今日付けて学校辞めて、正式に冒険者!学校に無断で冒険者してたのがバレたから、もう隠す必要ないじゃん、あっこれもいらねぇーや」 カチャリッと眼鏡を外して、近くのゴミ箱へ眼鏡を投げたら、ナイッシュー。 「……えっ、だってストーリーが……」 「攻略対象とどうのこうのだろっ、頑張ってな」 呆然とする美少女を残して、私は駆け出した。 仲間が待ってるダンジョンへレッツ・ゴー。
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