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彼が市場と言ったのは、大きな建物の中にいろんなお店が集合したところだった。
一階は海のものを中心に、加工品やお土産なども置いてあり、エビやウニなどのおせんべいもあった。
お店の人が出てきて試食をさせてくれるところもあって、自宅の食材用と、うちの両親にも数品送ってもらえるように手配する。
そこで購入したものを2階に持って行くと、食堂、と呼ぶのが相応しいようなおばちゃんたちのお店が並んでいた。
「あ~、美味しい、幸せ…」
生牡蠣の蓋を開けてもらって、少しだけポン酢を垂らし、ちょっとレモンを搾っていただく。
「そんなに牡蠣、好きだった?」
そう悠哉さんに聞かれて、何度も頷く。
「だけど、うちの方で買うのはちょっと高いし、いつ取れたものか分からないのは怖いから買わないの」
養殖業者から採れたてを直送してもらってるんだよ、というおじさんの言葉に、一も二もなくカゴに入れたのだ。
そこの食堂で白米をもらい、刺身にしてもらったお魚を載せながらいただく。
水槽に見たこともない魚がいっぱい泳いでいたのを、「刺身にするならこれがオススメ」というのを何種類か持ち込んであった。
その後、また下に降りて、エビの殻焼きとホタテの刺身を買い、店を出た。
帰り道に地元のスーパーに寄り、夜の食材を買う。
その一角にパン屋さんがあったので、覗いてみる。
食事パンから菓子パン、ピザからドーナツまで並んでいる中から、明日の朝用にベーグルとスコーンを買う。
朝のジャムがまだ残っているのだ。
「これも食べてみたい」
悠哉さんが牛タン入りカレーパンを指さす。
私も、よもぎあんパンというのをトレイに乗せた。
帰ったらおやつに、二人で半分ずつ食べよう。
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