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背後から、彼の荒い息づかいが聞こえる。
私の中に、彼のが入っている。
後ろから激しく突かれ、腰が砕けそうだ。
彼は片手を壁に突き、片手で私の腰を抱きしめている。
「…うっ! …妃奈っ! …あぁ…もう…」
最後は呻くような声が聞こえ、彼が私の中で果てた。
はぁ、はぁ、と息をつきながら、私の身体を抱きしめる。
「…はぁ、ごめん、妃奈、俺…」
バスルームは先ほどまでのシャワーの湿気と、私たちの熱い息で満たされている。
いつもより少し多めにアルコールを飲んだせいか、二人とも興奮気味だったのは否めない。
陽気が良くなり、昼間は少し汗ばむくらいだったので、部屋に戻ったら取りあえずシャワーを浴びたかった。
それが、部屋に入るなり熱く抱擁され、唇を塞がれ、なかなか離れていかない舌に翻弄されながらも、「シャワーがしたい」と伝えたら、服を脱がされ、一緒にバスルームへと縺れ込むことになった。
ここのバスルームには、レインシャワーという機能があった。
普通のシャワーより細かい水滴が、天井から降り注ぐように落ちてくるのだ。
その下に立たされ、全身を濡らしながら、彼は私の後ろに立ち、耳柄を唇で愛撫しながら胸を揉んできた。
柔らかなそこの形を変えながらも、素直に反応し始めた先を指先でくりくりと弄られる。
その行為はいつものような、私をそちらの世界へゆっくり連れて行こうとする優しいものではなく、一刻も早く身体を繋げることを求めているようだった。
そうやって後ろから抱きしめられ、胸を刺激されるだけで、身体の芯が疼き出し、下の泉にトロリとしたものが溜まり始めるのが分かった。
性急な彼の動きに応えて、素早い反応を見せる自分の身体が、どんなに彼のことを求めていたのかを感じさせる。
彼は私の背中に、硬くなり始めた自分のモノを押しつけてくる。
それがどんどん熱くなっていくのを感じると、身体が勝手に高ぶっていく。
そうしながら胸を揉み、顔を後ろに向けさせて唇を貪るものだから、すぐに彼を迎え入れる準備ができてしまった。
彼はシャワーを止めると、私を壁際まで押しやり、指を伸ばして私のそこを確認する。
そうしてすぐに後ろから押し入ってきた。
「あぁ…っ!」
伸びてきた腕に腰を固定され、ぐっ、ぐっと挿入されると、身体中が一気に痺れた。
壁に両手を突いて、必死でその動きに耐えているうちに彼が果てたのだ。
「…ごめんな、俺のペースで」
私を振り向かせ、ぎゅっと抱きしめると、彼はそんなふうに詫びの言葉を口にした。
「妃奈があまりにも可愛くて、部屋に入った時から我慢ができなかった…」
額と額とくっつけて、少し後悔しているような声で彼が言う。
私は両手を伸ばして、彼の頬を包み込み、唇を合わせた。
「まだ夜は長いわ…」
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