重なる悲劇

1/3
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
ピピピピッ!何度目かの目覚ましの音が鳴り彼女は飛び起きた 「いっけなーい遅刻遅刻!」 そう言っては急いで身支度を整え始める。 彼女の名前は聡子。20歳の大学生だ。朝食を簡単に済ませ、急いで2年前から一人暮らしをしているボロアパートを出る。そして勢いよく階段を駆け下り自転車に飛び乗った。 「うわー!!急がなきゃ!昨日遅くまで動画観てたからなぁ」 ブツブツと言いながら自転車を漕ぎ大学へ向かう。しかしこういう時に限って信号につかまり、踏切につかまりさらに時間をロスしてしまう。 「あー!もう!!」 聡子は焦りさらにスピードを上げた。そして大学への最後の曲がり角を曲がろうとしたときだった。かなりのスピードが出ていた聡子の自転車は角を曲がりきれず転倒してしまった。 「キキーーーガシャン」 「...いたたぁ」 なんとか受け身をとってホットしたのも束の間... 「プップー!キキィィーーーー!」 目の前に車が突っ込んでくるのを見たのを最後に聡子の記憶は途切れている。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!