呪われた血

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「病?」 「そうだ。我が大久保家に代々伝わる呪いだ」 時は江戸時代。 代々、優秀な医者を輩出してきた大久保家の現当主とその息子の会話である。 「どんな病なのですか」 「14~18歳の者が発症する。但しまれに例外もある」 「して、どのような?」 「虚言を吐くのだ」 「嘘ですか」 「ある者は見えているのに左目に眼帯をしてみたり、怪我をしていないのに包帯をしてみたり、医者の家系なのに武士の生まれ変わりだと宣言してみたりする奇病だ」 「恐ろしい」 「この病はお前の代で終わらせる」 「承知いたしました。ところで、父上」 「何だ」 「父上の頬にそんな十字傷ありましたか?」
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