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「先生、気づいてたの!?」
ちょうど先生に見てもらう列に並んでいた由紀はすぐにバラしてしまった。
「そりゃそうさ!そもそも字が違う」
「どっちも上手すぎるし……同じに見えるけどなぁ?」
笑う先生は“髙野匡人”と書いてある二枚を見せてくれたけど……俺だってその違いはわからなかったのに、だよ?
ねぇ、お前は知ってた?
俺とお前の字が違うって!
まぁ、習字でも賞をとるのはお前だったし、いっつもお前はサラサラと書く速さも全然違ったけどな。
でも、習字だけはお前にかなり近づいていて一緒だと思っていたんだよ。
それでも先生は見分けていた。
俺とお前の顔の違いはわからないけど、字は違うって。
凄いよな。
まぁ、この場合、そうやって……親だってたまに間違える俺たちの顔をいつも見分けている由紀も凄いんだけどな。
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