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プロローグ
真夜中の3時を時針が指した。
有名建築士がデザインしているこの高校の時計は普段は誰もが何度も目にする。
この時間は時計が校内を目にする時間。
校舎を見守り、そしてただ静かに時を刻んでいる。
誰もいない学校の暗闇の中に、『ザァー。ザァー』と地面と物が擦れる音が響く。
校舎の裏側にある綺麗に整えられた花壇には色鮮やかな花が列を乱すまいと整理され咲いていた。
そこに人影が止まり、スーツケースに丁寧に折り込まれている女を出す。
女は沢山の眠剤が入った紅茶を飲まされ起きなかった。
女は花壇の花の整列を乱さないように、花壇の花の中に寝させられる。
そして人影は消えたかと思うと、花壇に近い非常階段に再び現れた。
ハサミの刃を分解したと思うと、勢いよく彼女の左胸を目がけて射る。
静寂な夜に4度『カン』という音が響いた。
見事命中した部位から血液が噴き出す。
その後、額、腹部、鼠径を狙った。ほぼ狙い通りに射られたハサミの刃は、肉をひき裂き体内にまで到達する。
穿刺部からはそれぞれ、新鮮血がどんどん流れ出し、みるみるうちに女の制服や白い肌を侵食する。
それを見て満足げに呟く。
「また僕を見て顔を真っ赤に染めてくれた。好きになってくれた?でも僕には好きなが人いるから……」
薄く笑いながらその場をさった。
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