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「陸、すわってて。お茶持ってくる」
鈴木くんの言葉に「大丈夫だよ、自分で注ぐよ!」と慌てて返す。
鈴木くんのことを意識してしまう。そんな緊張感のせいか、陸は足元に置いた自分の鞄につまずいてしまった。
「あっ!」
「陸!?」
驚いて振り返る鈴木くん。
転びそうになる陸を支えようとして、そのまま2人して床に転がる。
「大丈夫か、陸――」
偶然だが、鈴木くんに上に乗られるような体勢になり、陸は顔を赤らめた。
「す、鈴木くん……!」
鈴木くんが近い。
もっと近く触れたい。友人としての一線を超えたい。そんな気持ちが溢れてしまう。
思わず言葉が出た。
「鈴木くん、僕っ――」
すると、鈴木くんはゆっくりと陸の手首を掴んできた。
「え? 鈴木くん…?」
その表情は、友達としてではなく男としての顔だった。
今まで見たことのない鈴木くんの表情に戸惑いながら、陸はこみ上げる衝動を抑えられずに鈴木くんを見上げ
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