《第二章 進展》

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「鈴木くんさ、授業のあと暇ならどこか行こうよ」 陸は初めて彼を遊びに誘った。 結局サークルも幽霊部員としてしか入らず、バイトもしていない陸は、授業のあと暇を持て余していた。 鈴木くんには家で小説を書いていてほしかったが、たまには友人らしく遊びにも行ってみたかった。 「いいけど…どこ行く? 騒がしいところ苦手なんだよね」 鈴木くんはげんなりした顔で言った。 「確かに苦手そう!」 陸は笑った。鈴木くんがゲームセンターやカラオケで騒いでる姿など想像できない。 「静かなところでいいよ――あ、鈴木くんの家は?」 「えっ?」 「ほら、一人暮らししてるって言ってたじゃん。2人でゲームしたりしようよ」
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