《第二章 進展》

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「ここか――」 鈴木くんの家は桜谷駅から数駅離れた場所だった。 まさに男性の一人暮らし向けのアパートで、築年数はそれなりに経っていそうな趣があった。だが、その代わり中は広い。 家の中は文庫本と漫画とゲームで大半が占められていた。 「すごいな! 漫画喫茶みたい」 陸は興奮して部屋を眺めた。 「こんなにたくさん、よく集められたね」 「好きだからね。ゲーマーでオタクなんだよ、俺」 鈴木くんは苦笑した。 「良いじゃん、そんなに趣味があるなんて羨ましいよ」 陸はうっとり漫画が並ぶ棚を眺めながら言った。 「そうかな…」 またしても鈴木くんは照れたように俯き、「なんか飲み物いる?」と陸に聞く。
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