《第二章 進展》

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「うん。なんでもいいよ」 「了解」 と鈴木くんは冷蔵庫を開け、はっとする。 「ちょうど飲み物切らしてた…すぐそこにコンビニあるから買ってくる。悪いけど待ってて」 そう言って財布を手にする。 「わかった、ありがとう」 ぱたん、とドアが閉まる音がして、鈴木くんはコンビニへと出かけていった。 ――しめしめ……。 家主不在の部屋で、陸は俄然燃え始めた。自分には見せていない作品や、過去の作品があるのではないか。 偶然の不在にしろ、これは良いチャンス――と陸は棚を見ていった。 すると、本と本の間に薄いファイルが挟まれているのを発見した。 「まさか…!」 陸の胸は踊った。取り出して見ると、A4サイズの紙がびっしりと文字で埋め尽くされていた。 パソコンで打って作成された小説のようで、陸はわくわくしながら紙をめくった。 「【第一章 出会い】……」
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