第三章 最終章

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――この人、本当は僕のこと好きなんだ。 不器用なだけで、伝えたいのに伝えられなくて、こんな状況になって。小説内で陸から告白させることで、現実も変えようとしているのだろう。 それなら、意地でも鈴木くんのほうから言わせて完結させてやる。 「鈴木くんが言わないと、僕たちの物語は終わらないよ?」 「そ、れは…」 鈴木くんは動揺していた。そんな表情を見るのは初めてで、強気だった陸も内心では焦ってしまう。 だが、なんとか平静を保つ。 「鈴木くんの中の『成田陸』は、こんなことしない?」 陸は懸命に不敵に笑いかける。 鈴木くんは一瞬躊躇ったが、 「――乗っ取られた気分だ」 ふっと笑い、唇を重ねてきた。
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