第三章 最終章

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「陸。俺は陸のいない生活は考えられない。初めて会ったあの日から、俺の心は陸に攫われてしまったんだよ」 鈴木くんから熱烈な言葉を受けた陸は固まった。 なんとか平生を装ったが、鈴木くんの吐息が耳を掠めると鼓動が一気に速まった。 「どんなことがあっても俺は陸のそばにいる。だから、俺だけのものになってほしい」 鈴木くんは、そう言った。 たしかに、言ってほしいって言ったけど――こんな、熱烈で重みのある告白をされるとは想定外だった。 しばらく面食らっていた後、陸の脳内で告白が再現される。 「好きだよ、とかじゃないんだ…?」 重みのある気障な台詞で、見事に仕返しされてしまった。
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