《第一章 出会い》

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《第一章 出会い》

桜谷駅7時50分発のJR線はいつもと変わらず混んでいた。 うんざりしながら、慣れた動作で人と人の間に入り込む。僅かな隙間さえ無駄にしない――これさえ押さえれば、満員電車も何とかなるものだった。 「今日は鈴木くんと会える…!」 成田陸の心は踊っていた。 半年間、こんな朝早くの満員電車にコツまで掴んで乗る、その1番の目的は同じクラスの鈴木くんだった。
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