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決戦当日。
「うん。リコの器がとても大きくなってるのを感じる。これだったらガッキーの依り代になっても大丈夫ね」
「で、ガッキーはどこに……?」
「もういるから安心して。リコがご対面するのはアレと対峙した時だけ。さ、行ってらっしゃい。カズキくんを助ける。その気持ちだけしっかり持っていなさい」
お母さんに背中をバシンと叩かれ、送り出してもらった。
学校についてすぐ、わたしはカズキくんの元につかつかと向かう。
「山江くん、おはよう」
「お…はよう」
カズキくん、めっちゃ引きつってる。心なしか、まとわりついてるアレも動揺してるように見える。
「今日、帰りちょっと付き合ってもらえないかな?」
「え…あ、うん…?」
超・ド直球でカズキくんを呼び出すわたし。周りのみんなはざわついてるしカズキくんもびっくりしてる。でも、鼻息荒く目をギラつかせた私の様子に、誰一人としてロマンスの香りは感じていないようだった……。
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