0人が本棚に入れています
本棚に追加
お母さんから伝えられた計画はこうだった。
決戦は一ヵ月後。
だけど、一ヵ月でわたしの力をアレに対抗できるまでに育てるのは不可能。
だから、お母さんの最強の守護霊を貸してもらう。戦うのはあくまで彼ら。
わたしは、お母さんの守護霊を側に置くに耐えうる力を決戦の日までにつけておく。
「守護霊っていうか、ガキなんだけどね。ガッキーって呼んでるからよろしくね。まぁ、あんたがご対面するのは当日だけどね」
ガッキー……。お母さんの守護霊は子供なのか?
ともかく、わたしの修行の日々が始まった。
お母さん曰く、鍛えるのは霊能力ではないらしい。
「あんたに必要なのは恐れず受け入れる力。それだけよ」
わたしみたいに、必死に見ないフリをしたり、威嚇したりする必要なんてないらしい。彼らは異質な存在なのではなく、わたしたちと同じように存在しているもの。ただそこにあるものとして受け入れてあげる。この訓練が必要なのだとか。
私の精神を強固にするためにお母さんから課されたのは、瞑想・滝行・神社参拝・ジョギング・空手。
つーか、ジョギングと空手ってなに!?
「健康な精神は健康な体に宿るのよ。あんた運動不足だし、いざって時に空手やっておけばなんかの役に立ちそうじゃない?」
「適当すぎない……?」
とは言え、今はお母さんの言うことに従うしか道はない。
このままでは、カズキくんは高校を卒業するより前にアレに命を奪われる。
わたしはもう、100%嫌われちゃったけど(やだやだ来ないでって言っちゃったもんなぁ。カズキくんに言ったわけではないんだけど…トホホ)。
それでも、彼は絶対に死なせない。
最初のコメントを投稿しよう!