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「リコー!帰りカラオケ行かない?」
「ごめん、ミレイ。今日も用事あってさ」
「えー?最近付き合い悪くない?まさかデート?」
んなわけあるまい。
あの日からわたしは、学校が終わると直帰して修行に励んでいる。カズキくんは、あれ以来わたしに話しかけてくることもない。たまに、腫れ物に触るような目線を感じることがあるが……うん、気にしない。
アレも、お母さんの攻撃が効いたのか、わたしに近寄ってくることはない。どうやら警戒をしているようだ。
だけど、はっきりと分かる。わたしのことをいつだってアレはじっとりと見ている。諦めてくれたわけでは決してない。
怖い。いつわたしに危険が及ぶか分からない。というか、対決すればわたしだってただじゃ済まないだろう。
だけど、修行を続けるうちに分かってきたことがある。
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