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朝、七時に目を覚ます。
「今日も学校か…」
私、丸山日菜は家から徒歩五分の高校に通う高校ニ年生だ。私は別に学校が嫌いなわけではない。だけど、たまに家にいるのに帰りたいという不可解な感情に襲われる。
いつも通りの時間に家を出ると、角を曲がってすぐの公園に鈴奈が待っていた。彼女とは小学生の時からの知り合いだ。だが、鈴奈には隣の家に住む仲の良い幼馴染がいて、私は彼女の幼馴染には到底なり得ない。
「おはよう、日菜」
「おはよう、今日天気いいね」
私たちは会話を交えながら、学校へ向かう道を歩く。
「あ、そういえばさ!」
鈴奈が弾けたように話し出した。
「最近ハマってるバンドがあるって話したでしょ?」
「うん、ライブ見に行きたいって言ってたやつ?」
「そうそう!あのライブが来月あってさ、一緒にどうかなと思って!」
「え!行きたい!」
私は、鈴奈が真っ先に私を誘ってくれて嬉しかった。
「誘ってくれてありがとう!楽しみだな〜。鈴奈もライブ初めてなんだっけ?」
「うん!あ、でも、来週クラスの子と別の公演見に行くから日菜と行く時は2回目だけどね」
「あ、そうなんだ…」
一瞬でも、自分が一番だと思った私が馬鹿だった。なんだ、他にも誘ってる人いたのか。それはすごくすごく小さなことだけど、そのことが気になって私の胸はちくりと痛む。
「楽しみだね、ライブ!」
「うん!ありがとう、行くって言ってくれて」
「どういたしまして」
私の人生はいつもこうだ。私は誰にとっても一番にはなれない。必要不可欠な存在になれない。多分、私に決定的に嫌な部分があるのではないと思う。その証拠にいじめられたことはない。ただ、一緒にいてすごく楽しいわけじゃないから、わざわざ一緒にいたいと思われないのだ。親友や彼氏がいないのもそれが原因だろう。私はそのことに気づいてから何度か辛いと思うことはあったけど、自分の人生はそういうものだと諦めていた。
奇数グループが生まれれば、一人になるのは自分だと覚悟するし、誰かが選ばれる瞬間に自分の名前を呼ばれないことを私は知っていた。
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