誰かにとっての一番になりたい

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 案の定今のクラスでも五人グループだ。しかし、みんな優しくて、とてもいい子たちで一人になることはほとんどなかった。  だが、今日の二時間目のテニスの授業。二人組を作れと先生の指示があった。私はみんなの方を見た。グループの中で一人だけ百六十センチを超えている私は、背の順の後ろからみんなの様子を見る。一旦集まってジャンケンでもするのかな。そう思っているとみんなはあっという間に二人組を作っていた。  そうだよね。私、何忘れてたんだろう。奇数グループになった時いつも一人になるのは私じゃん。しばらくするとグループが出来始めたので、私は仕方なく先生に「ペアがいません」と言い、他のクラスの子と二人組になった。  授業は無事に終わったが、私は誰も私の存在に気づいてなかったことが少し心に引っかかり、みんなに冗談めかしく言った。 「もう!なんでみんな勝手にグループ組んじゃったの〜?私一人だったじゃん」 「あー、そんなつもりはなかったし。ただ、近くに居たから組んだだけだよ。あ!それより、次の授業さ…」  そうだよね。こんなもんだよね。わかってる。私は一体どんな返答を期待していたのだろう。ごめんね。とでも言って欲しかったのだろうか。大丈夫。いつものことじゃん。こんなの。  大したことじゃないのに、心がずっともやもやで覆われている。私はその後も、周りに合わせて、何事もなかったかのように授業を受けた。感情を表に出したり、人に当たるのは好きじゃない。それに、そんな小さなことで怒っている心の狭い人間だとは思われたくなかった。
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