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「…なぁに?そんなに見つめられると…ドキドキしちゃうんだけど?」
くすくすと笑うひなたは、以前に比べずいぶん姫乃に心を開いてくれたと思う。
今も「特に用はないんだけど…」と、会社裏のいつものベンチでお茶に誘われた。
初対面の頃はトゲトゲしいというか…正直、某社長様を連想してしまうほどに苦手なタイプではあったが、今では…
ーー意外と甘えん坊なのかな…?かわいい♪
ツンデレ猫に懐かれたような、年の離れた妹ができたような…あつかましくも、そんな親近感を感じている。
「ひなたさんがとっても綺麗なので、ついつい見惚れちゃいます♪」
「… …そ?ありがとう。…ねぇ、姫乃さんはどんな人がタイプなの?」
「え?タ、タイプ…ですか?異性ですか?」
「ん~…異性とは限らないよね?恋人にするなら、どんな人がいい?」
ひなたが綺麗な瞳を細めて微笑む。
なぜ突然そんなことを聞かれるのか?といささか疑問はあるものの、天才アーティストといえど、ひなたもお年頃だ。
恋バナ的なものに興味があるのか…
などと、ほっこりとした気持ちになる。
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