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「私…ひなたさんが大好きです!クールでツンツンしてるかと思えば、意外と甘えん坊で…可愛い一面もあるかと思えば、とっても頼もしくて…かっこよくて…
ひなたさんの作品は、ひなたさんそのものです。色んな角度で色んな表情を見せてくれる。やっぱり、私はひなたさんが…」
王史に向けて、ひなたを熱弁していたところ。
突然、正面の王史がすっと姫乃の手を取る。
そのため、あからさまに肩を震わせてしまった。
「ーーっっ!?」
「・・・うるさい」
「ぁ、す、すみま…せ」
「俺の前で、他のヤツ…好きとか言うな」
「…ぇ?」
じっと自分を見上げる王史の瞳が何だか、いつもより少し…
ーーす、拗ね…てる… …?
「ぁ、の…でも、ひなたさんは、女の子だし…」
「男でも女でもダメ。許さねぇ…」
つまらなそうにそう言った王史の声に
不覚にもきゅんっと胸を締めつけられる。
「…ん。」
一言そう言って組んでいた長い足を崩し、ぽんぽんと何やら王史が合図する。
その王史の行動の意味を理解できずきょとんっと見つめる姫乃に、呆れた様に王史が言った。
「ここ座れっつってんの」
「えっ!?こ、ここって…な、何で、ですかっ!?」
かぁっと赤面する姫乃に対して、王史は相変わらずのトーンでしれっと答える。
「別に。お前に触れたいから…嫌なの?」
「ーー~~っっ!!」
平然とした顔で、何でもないことの様にそんなことを言う。
何だか、意地悪をされていた以前にも増して・・・
ーーな、にを考えてるのか…分からない…!!
「…無理矢理したら、お前また泣くだろ?」
「ぇ… …」
「嫌ならしない…」
「… … …」
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