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ユーリの王子様
王史に恋をしていると、自覚してしまった今となっては…本気で断りたい。
うかつにも約束してしまった"王史へのお礼"
王史から送られてきたURLをクリックする。
すると、毎年この時期に開催される"七夕まつり"のサイトが開かれた。
夏祭り。花火大会。とでも言うのだろうか?
七夕の時期に開催されるため、そうネーミングされたようだ。
シンプルにこのURLだけが送られてきたことから恐らく…約束の"お礼"の行き先、なのだろう。
ーー1日傍にいろって…つ、つまり、デ、デート…
だよね?前の遊園地デートは、ユキさんもリオンさんも一緒だったし・・・っそーだ!今回もユキさんとリオンさんも一緒に… …
なんて… …ダメ、だよね… …
あの時の、王史の嬉しそうな声を思い出す。
思い出すと…2人きり意外の選択肢など初めから用意されていないことくらい、分かる。
ただ、自分が傷つきたくないだけだ。
今よりもっと、王史に惹かれてしまうのが…怖い。
王史と…なんて、上手くいくはずがなくて
そんな夢みたいな話はあり得なくて…
王史をもっともっと好きになってしまえば
その反面…もっともっと、傷つく未来しか
見えて来ないのだ… …
この叶わない恋心に気付いた今だからこそ、このままひっそりと王史のことを…忘れてしまいたい。
「・・・はぁ。憂鬱だなぁ… …」
「ナニがゆーつ?」
突然、背後からかけられたそんな声に
ビクッと心臓が飛び跳ねてしまう。
慌ててその声に振り返った。
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