ユーリの王子様

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日中の蒸し暑さが落ち着いた夕方。 姫乃とユーリとユキは、ユキのマンションで支度をし、待ち合わせ場所へと向かった。 若干、支度に時間がかかってしまい、待ち合わせ場所に到着した時にはすでに王史とリオンの姿があった。 絶対に浴衣を着たい!というリオンの熱い要望により、ユキはリオンに付き添って浴衣を仕立てに行ったのだと言っていた。 この2人、何だかんだ…仲が良い。 ユキは『恋愛関係なんてあり得ない』と笑っていたが…姫乃としては自然と"お似合いだな"などと思ってしまうのだ。 「わぁ!みんな浴衣!かっわい♪」 にこにこと上機嫌にそう言うリオンの隣で、リオンに着せられたのであろう、王史も浴衣姿で気のない様子で立っていた。 そう。ただ立っているだけ。 それなのに… ーーモ、モデルさんみたいだぁ~~… … 深いグリーンの浴衣は落ち着いたカラーで、王史のイメージにぴったりだと思う。 普段は上げられている前髪も下され、目元にかかってより色気を感じさせた。 目のやり場に困り、不審にも視線が泳いでしまう。そんな姫乃の隣で、ユーリの明るい声がした。 「リオンも似合ってるヨ!おーしもcool♪」 そう言って親指を立てて見せながら、ユーリが王史にふわりと笑顔を向ける。 浴衣を纏ったユーリも王史に引けを取らないほどに美しく、どこからどう見ても…お似合いな2人だと思うのだ。
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