ユーリの王子様

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飲み物買ってくる。 と、その場を離れる王史の後ろ姿をユーリと共に見送った。 人混みに消えていく王史の後ろ姿を見つめながら、ユーリがぽつりと呟く。 「あの人、いつもあの調子。冷たいし、笑ってくれないし、まったく甘やかしてくれないの…」 「… …し、失礼ながら…分かる気がします…」 言いにくそうに言葉を濁す姫乃に、ユーリがふふっと笑う。 「でもね、私はそんなおーしでも、好きなの」 「…それって、ユーリちゃんは…Mっ子てこと?」 やや青ざめた表情の姫乃に、ユーリがきょとん?と疑問符を浮かべている。 「おーしは、ウソがないから。自分に正直で、自分があって、誰かに左右されるコトない。そんなところ、私にはないから…かっこいいって思う!」 「… …なるほど」 物は言いよう…とはよく言ったものだ。 王史のあの暴君のように横柄な態度も、横暴で自分勝手な行動も…そう捉えれば"魅力"になるのだろうか… いまいち納得いかない表情を見せる姫乃に、ユーリがくすくすと笑う。 「でもあぁ見えて、人望は厚い人なんだよ?businessでは優しい顔するけど、心の芯は変わらないから。みんな、おーしの真っ直ぐなところ、好きになるみたい」 「… …」 ーーそれは、確かに…分かる。 王史の真っ直ぐな瞳を思い出す。 表情はそれほど変わらないが…あの瞳は 甘く姫乃を、包むのだ。
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