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自分は、ユーリにひどい事を言ってしまったのだろうか。
先ほどの言葉に、ユーリを傷つけてしまう要素があっただろうか…
そんな気は全くなかったのだが…
「ありがとう!やっぱり…ひめちゃんはステキね?」
そう言って微笑むユーリはどこか…
泣いているように感じた。
「ねぇ?誰か待ってんの~?ヒマなら俺たちと遊ばない?」
ふいに、背後からそんな軽快な男の声がする。
すでにこれも条件反射で…突然かけられた男の低い声に、心臓がドキッと音を立てた。
「ねぇねぇ?」
そんな男の呼びかけに、恐る恐る…振り返る。
「や、やめてっ…行きません!!」
「え~いーじゃん。俺たちが案内するって♪」
すぐ背後からの声だったためてっきり、姫乃とユーリにかけられた声なのかと思ったが…どうやらそうではなく。
2人の男に、浴衣姿の女の子が腕を掴まれている様子が視界に入る。
高校生…大学生、だろうか?姫乃よりは確実に若い
が、それでも…その軽くて低めの声には萎縮してしまう。
からかうように女の子達に軽口をたたいているが、女の子達は明らかに迷惑そうで…
ユーリもその様子に気づいた様子で、隣に座るユーリとぱちりと視線が合った。
「まぁいいから、行こう行こう♪」
「やぁだ!離して… …」
背後で繰り広げられる男女の押し問答に
不安や心配を通り越して…
姫乃の中で
イラ立ちが優ってしまった。
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