初恋は王子様

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初恋は王子様

『おい!グズ姫!いつまで花壇の花なんかいじってんだよ!?邪魔なんだよ、サッカーできねぇだろ!』 『ぇ…でも、サッカーなら…あっちの方で…』 『あ"ぁ?お前、オレの蹴ったボールがここまで飛ばせるわけねぇって言いてぇの!?』 『そ、ゅーわけじゃ… …でも、花壇に飛ばしたら… お花が潰れちゃ… …』 『飛ばすかボケ姫!オレは花には当てねぇ。でもお前がいたら、お前には当てる!』 『えぇ!?ょ、よく分かんな…』 『うっせぇ!さっさとあっち行け!!』 これは、小学生の頃の記憶。 久我 王史(くが おうし) 私は彼が、苦手だった。 たぶん、恐らく…いや絶対。 彼とは人種が違ったのだろう。 私が水なら、彼は油。 考え方も些細な言動も 彼とは相まみえることはなかった。 傲慢で、プライドが高くて、自信家で その名の通り、王様のような態度で いつもクラスの頂点に君臨していた。 小柄な割にオーラというのか、彼の存在感は際立っていて『ガキ大将』と言うよりは『カリスマ』 そんな彼が『グズ姫』と言って私を見下すから あの頃は、友達らしい友達もいなかった。 中学に上がる時、彼は親の仕事の関係で外国に行ってしまったらしい。 正直、彼と離れられることに心から安心したし… ここからが 私の第二の人生の始まりだった!
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