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「ねぇ姫乃聞いた？今回の社長交替の件！」
「ユキさん。お疲れ様です♪聞きましたよ～。大村社長、ずいぶん患われてたって話ですもんね…」
「優しくていい人だったんだけどねぇ…やっぱり年には敵わないか～。榊原(さかきばら)会長の方が若いんだもんね？」
昔から『可愛いもの』が大好きだった。
特に、全ての年齢層の女性から支持される、この
"株式会社Rose Berry.Co."の作る商品は別格で、アパレルから日用品、コスメに至るまで、様々なジャンルにおいて、花と植物をモチーフに女の子の『可愛い』が追求されている。
子どもの頃からこの憧れの会社で働くことを夢見ていた。
そのため、今こうしてこの場所でお仕事ができていることに、人生最大の喜びを感じている。
ーー…とは言え、なかなか正社員には程遠いけど…
さらに、ここが居心地の良い点はもう一つ。
社員の男女比が8:2で、女性が多いということ。
学生時代は中学から大学まで
あえて、女子校を選んできた。
そう。何を隠そう…
私は男の人が苦手だ。
それもこれも全ては『彼』のせい！
あの、野獣のような男…
久我 王史のせいでっっっ！！
ーー・・・はぁ。ヤな顔を思い出しちゃった…
いまだに囚われてしまっているあの意地悪な笑顔を頭からかき消すため、小さくため息をついた。
本来であれば、自分だって…
今ごろステキな彼ができていたのかもしれない。
度々声をかけてくれる男性もいるのだが…YESと答える勇気もさらさらなく、そうこうしているうちに自然と離れていってしまう…
これまで、その繰り返し。
そしてきっと…
これから先も… …
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