ジョニー、頼むから俺から離れろ。

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 今朝の件があってからというものの俺は、いまだかつてないほどの災難に見舞われた。  理科の実験ではジョニーが俺と同じ班を志願してしまい、班で行っていた実験ガラスが突如爆発した。  同じく体育でもジョニーが俺とペアを希望し、対戦相手として学校一のゴリラが現れた直後になぜかジョニーが腹痛を起こして俺が闘う羽目になった。ゴリラに柔道技で殺されかけてる間も俺は”もしやこれも仕組まれた罠なのか”と真剣に考えていた。  おそらく今日中にでも更なる次の作戦が決行されるはずだ。殺害方法もお任せにしてしまったからどこから何がくるかもはや予測がつかない。そして一番まずいのはジョニーが俺にべったりなことだ。  昨日からジョニーの俺への固執は尋常じゃない。やはりリサと仲良くするために俺と仲良くしようという魂胆か。いやでも、それだったらリサが一緒にいるときに近づいてくるはずだ。  やつの狙いはなんだ…? 「ケイン、どうしたの?気難しい顔をして」  リサが話しかけてきた。 「え?ああ、ちょっと気になることがあって…」 「なに?私になんでも言ってみなさい!」  そうだ、リサに聞いてみよう。こういうのは女子の方が勘がいいはずだ。 「いや、実はジョニーが…」  昨日からのことを俺はリサに話してみた。 「え、それ…ケインのこと好きなんじゃないの?」 「なっ…!?俺は男だぞ…!」 「だから、男が好きなんじゃないかしら、ジョニーは」  俺は衝撃すぎて開いた口がふさがらなかった。 「じゃなきゃそんな…手作りのマカロニをわざわざ持って行ったりしないでしょ」  俺は完全にリサの存在を忘れて魂が抜けたように立ち上がり何も言わずに廊下へ出て行った。
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