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放課後、俺が帰ろうとすると校門の柱からジョニーが笑顔でひょこっと顔を出してきた。
「ケイン!一緒に帰ろう!」
もう俺はやつの顔も見たくなかった。なんなら腹まで痛くなってきた。
やつはもはや死神だ。やつを殺して俺はリサとハッピーエンドになるはずだったのに何故こうなったんだ。
俺は自分で自分の死神を創ってしまったことをひどく悔やんだ。
「それでさあ、その恋愛ゲームの内容が、これまた死ぬほどつまらないんだ。…ケイン?聞いてる?」
死ぬほどつまらんのはおまえの話だと思いながらも、俺はどうやってこいつを引き離そうか、すべての神経を脳に集中させていた。
そんな俺の顔を覗き込むジョニーが視覚的にも、存在的にも邪魔でしょうがない。
「あ、そうだ、恋愛ゲームといえばケインはどういう子がタイプなの?」
タイプを聞かれた俺は鳥肌が止まらなかった。ジョニーはやはり俺のことが好きなのか。
「ちょっとその、帰りに寄るところがあるから俺はこの辺で…」
「え、何か用事かい?ケイン顔色悪いし心配だなあ…。そうだ、僕も一緒に行くよ!」
顔色が悪いのはおまえのせいだ。
ジョニー、頼むから俺から離れろ。
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