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私、どうしたのかしら……。リーゼは、止められない自分の欲望が胎内を暴れ回っているのを感じていた。
本当は、気にしなくてはいけないことはたくさんあるのだ。
ドレスが急にはだけたことも、そのせいで男性の前で裸体を曝け出したことも。
けれど。
「あの……お願いがあるの」
「何?」
「あなたも、脱いで」
リーゼも、目の前にいる男性の生肌に触れたくて仕方がなかった。
「わかった」
暗闇とリーゼの視力のせいもあり、男性が服を脱ぐのにモタモタしていたことにリーゼが気づくことはなかった。ただ、ちょっと遅いな、くらいには思っていた。
そして数分後。
リーゼの手を男性が取って、自らの胸板に触れさせた。
自分のぷにぷにの触り心地とは違う、締まった男の肉だった。
1度触れたら、吸い付いてしまったかのように離れ難いと、リーゼは思った。
「素敵……」
リーゼは、無意識にそうつぶやいた。
「君の体も、とても素敵だ」
「見えてるの?」
「しっかり」
「やだ……!アレクサンドラ様よりずっと貧相な体しているから」
リーゼは、恥ずかしくなって少しでも身を隠そうと俯こうとした。
「隠すのはダメ」
「でも」
「それに……あんな脂肪の塊より、ずっと君の体が愛しいよ」
そう言ってからすぐ、男性はリーゼの乳房に唇を寄せながら、全身をくまなく触り始めた。
「んっ……」
自分のものとは思えない、あられもない声にリーゼは驚いたが、声を我慢する余裕など与えてはくれなかった。
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