暖かかった彼

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            彼との別れは突然だった。 朝起きていつものように彼を叩き起こそうとして彼に触れたのだが、彼はもう2度とその温かさを取り戻すことなく冷たくなっていた。 「信じられない」 只々その言葉だけが私の口から出た。昨日まで一緒に住んでいた彼。3ヶ月という短い間だが、彼が私に与えてくれていたものは大きい。彼と離れることを考えるだけで明日から生きていけるのだろうかと頭を抱えるほどだ。 私が風邪をひいてしまった時彼は暖め続けてくれた。他にも様々な時彼は私を暖かく包み込んでくれた。 きっと私は彼の太陽のような暖かさが好きだったのだ。 それから4日が経った今日は彼とお別れの日。 彼を抱えて外に出るとふと雪が降ってきた。 「冬はこれからが本番か」 つまりまた代わりのヒーターが必要になるということだ。 「故障しちゃったならしょうがない」 3ヶ月にして壊れるとは思ってはいなかったので、痛い出費だがこの寒さにはあいにく耐えられそうではない。 彼が故障して私と離れてしまうのは心細いが、また新しい彼を買えばいいだけの話。そう思いながら私は彼、     ヒーターを渋々粗大ゴミに出した。
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