連続殺人事件

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連続殺人事件

次の日、学校に行くとお通夜ムードになっていた。担任の菅原先生が宿直中に脳梗塞で死んだのだ。ショックが追い打ちする。 その日はすべて自習になった。 放課後、美奈代が話しかけてきた。 「ねえ、一緒に帰らない?」 「 いいけど……」 生返事をする。 いつもなら嬉しいはずの誘いなのに今日は嬉しくない。拓郎は何かあるのではないかと思いながらも一緒に帰ることに了承した。帰り道では特に変わったこともなく、いつものように神社の前を通った。 すると黒猫がよぎった。神社にはカラス避けネットがかけられているはずなのだが……。その時だった。突然美奈代の表情が変わった。目を大きく見開き、口元を押さえて震え出したのだ。何事かと思って振り返るとそこには……、 白いワンピースを着た女の子がいた。長い髪の少女だ。年齢は10歳前後くらいだろうか、とても可愛い顔立ちをしていた。ただ……目が死んでいた。少女は無言のまま、手に持っていたナイフで襲いかかってきた。拓郎は必死に逃げようとするも腰を抜かしてしまっていた。恐怖で悲鳴を上げることもできない。少女の手は真っ直ぐ自分の心臓に向かっている。もう駄目だと諦めかけたとき……黒い影が現れて少女を抱き止めた。よく見るとそれは猫だった。そして少女が動かなくなった瞬間……目の前が暗くなった。
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