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ナイジェリア
拓郎は目を覚ました。夢を見たのだ。そして思った、これがあの夢の続きなのだと。辺りを見るとそこは病室だった。自分がベッドに横になっていることを確認して起き上がろうとすると体中から激痛が走った。どうやら怪我をしているようだった。痛みを堪えながら記憶を整理していく。
(確か僕は通り魔に襲われて刺されて……)
その後、気を失ったのだろうと思い至ったところで扉が開いた。
入ってきたのは美奈代だった。なぜか泣いていたらしく頬に涙の跡があった。
しかし様子が変だ。まず胸のサイズが違う。気のせいだろうか。指定のセーラー服から谷間がはみ出している。
拓郎が声をかけようとした時に看護師が入ってきた。
私はお邪魔のようだね〜と言って出て行った。
「つぅかお前、学校はどうしたんだよ?」
美奈代はパッと顔を赤らめた。
「どうかしてるのは主治医よ。激変緩和処置が必要だ…って。制服なんて3年ぶりだわ」
「3年?! 俺はどうなっちまったんだ!」
パニクって見回すと拓郎の制服がハンガーにかけてあった。美奈代の指に輪。
「おいおいおいおい!」
うろたえる男に美奈代が飛びついた。「無事でよかった。あなた!」
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