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「幸右様のご友人であるお二人をしっかり送り迎えして差し上げるようにと幸右様より言い遣っておりますので、勝手ながら本日もお迎えに上がりました」
山野葵の手前だろう、ちゃんと私の立場が悪くなったりしない様、『お二人をしっかり送り迎え』とそう言ってくれる。
さすが猪熊さん。
気の回し方が完璧過ぎる!
山野葵も、たぶんこっちは『万亀から〜』の一言にでしょう、猪熊さんの言葉にすっごく気を良くしてるみたいだし。
猪熊さんが居てくれるなら私もなんか心強いわ。
私は猪熊さんににこっと笑って「ありがとうございます」と今日は素直に申し出を受ける。
「さっ、それじゃ行きましょ♪」
山野葵が上機嫌で言うのに、私も──まぁ、少し戸惑いはあるながらもこっちにも猪熊さんにしたのと同じくにこっと微笑んで「うん」と頷く。
山野葵は、あれやこれやと色んな話をする。
一限目が数学で憂鬱だ。
昨日のドラマ見た?あの俳優さんめっちゃ格好良くない?
最近駅前に出来たカフェがすごくオシャレで可愛い、今度行こうよ……などなど。
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