8. 波乱

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私としてはそれで周りの目からちょっとは逃れられてるし、別に何の問題もないんだけど。 うう〜ん……でもやっぱりなんか、山野葵の事が心配でしょうがないわ。 後で万亀ファンにシメられたりしないといいけど……。 と、悩める私の表情に、もしかしたら気がついたのかもしれない。 万亀が山野葵越しにこっちににこっと笑いかけてくる。 「瑠衣さん、どうかした?」 爽やかな笑顔もそのままに、問いかけてくる。 いやいやいや、どうかしたも何もないわよ。 山野葵もそうだけど、あんたこの周りの視線に気づかないの? 思いつつ、きっと気づいてないんだろうなぁと内心で息をつき『何でもない』と返そうとした私、だったけど。 その、最初の一声が出る前に── 「おお、ルイちゃん!」 正面数メートルの距離、学校の正門前から、ある一つの声が届く。 顔を見るまでもなかった。 正門前でブンブンと大きく私の方に手を振る、この頃ちょっと見慣れた顔── ──北ノ条だ。 げっ……北ノ条、何でここに? あんた学校はどうしたのよ?
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