身の潔白

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身の潔白

「Ms. MISEL」が渦中の資産家夫人K子さんを単独インタビュー。 K子さんが胸の内を激白! 写真はご自宅のテラスにてインタビューに答えるK子さん(一部画像を加工しています)  ――今回は単独インタビューありがとうございます。 いいえこちらこそ、こうした場を用意して頂き感謝しています。いわゆる新聞社などの報道マスコミも信用ならないですから。こちらの「Ms. MISEL」さんはファッション誌ですが、女性の味方で公正な視点を持っていらっしゃる。私大好きな雑誌なんですよ。  ――ありがとうございます。偏向報道に憤っていらっしゃると。確かにここ数日は特に憶測が先走ったような報道が過熱していますね。 本当にそうなんです。私は主人が「SAITO電機」会長を引退してからの後妻で、20歳以上も歳が離れています。そういった先入観で喋ったり煽りたてることで、センセーショナルな話題にしたいのでしょう。だから悔しいんです。私は純粋に主人を愛していました。それがこんな無残に殺されるようなことになるなんて……。胸が張り裂けそうで。  ――お察しいたします。遺族の方に対して、ましてや最愛のご主人を亡くされた奥様に対して向けられる視線には見えませんよね。ひどいと思う報道も確かにあります。 私はもともと質素に暮らしてきました。主人と結婚をしてからも私の倹約のライフスタイルを理解してくれて、ふたりで田舎で農作業をして静かに暮らそうねって、そんな話をしていたのに。私は本当は「Ms. MISEL」さんに載っているような高級な服なんて着たことがないんです。憧れなんです。それがたまたま生命保険に5,000万円なんていう大金がかけられていた。あの主人の生前の立場であればなんにも不思議ではない額ですのよ。それを、いかにも私が保険金目当てで殺したかのように。悔しくて身震いします。  ――今日のお召し物も、実にシンプルで質素ながらきちんとしていらっしゃる。質素倹約に生活して来られたという言葉の重みを感じますね。 分かって頂いて嬉しいです。なのにマスコミは私が金目当てに主人を殺した、そうしたイメージを作るのに必死なんです。葬儀で着ていた着物にまで難癖をつけてきて。あれは齋藤家からあなたはこれを着てくださいって与えられたものなんですよ。そうしたことは何も触れず、まるで保険金で買った最高級のお着物みたいに。悔しいです。  ――それこそ偏向報道ですよね。 でも今回こうしてお話できる機会を持てたことは本当に良かったです。それも「Ms. MISEL」さんの誌上で。御社のような世間的な風潮に流されない、毅然とした目で物事を語る姿勢に救われます。本当にありがとうございます。少し気持ちも楽になれましたから。  ――そのようにお話し頂けてこちらも嬉しいですね。ありのままをありのままに。創刊当初からの思いを私どもも改めて初心に返って実感致しました。今日はありがとうございました。 撮影 KIYOHIDE新井 ブラウス「ONIQLO」1,980円、ジーンズ「TARA」2,480円、カーディガン「サミッツ」780円、ネックレス「TAISO」220円、腕時計「ジャガー・フィリップ」4,850万円。 (了)
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