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ルームシェア
翌朝目が覚めたらもう柊弥は居なかった・・・・・
俺はベッドから起きてキッチンへ行くと柊弥はいつものように朝ごはんを作っていた。
「おはよ」
「秦人おはよ、朝ご飯出来てるから食べて」
「わかった」
洗面所で顔を洗って歯磨きしてテーブルに座って朝ご飯を食べる・・・・今日はパンだった、いい香りのコーヒーとサラダ、ハムエッグが美味しい・・・・・
「柊弥ありがとう・・・・・凄くおいしい」
「どうしたの?ありがとう・・・・・って・・・・・」
「だってさ・・・・朝ごはんが普通に食べられるって俺にとっては普通じゃないし・・・・柊弥が早く起きて作ってくれてるんだから・・・・ありがとうって言っただけだよ・・・・」
「俺は秦人に毎朝朝ご飯食べてもらえて嬉しいし、一緒に朝ごはん食べるのも嬉しいから作ってるんだけど」
「それが当たり前になるのが嫌なんだって・・・・・」
「ここに居たらずっと続くよ」
「おい・・・俺の気持ち分かってる?」
「わかんない・・・・無理にここから出なくてもいいのに出るって言ってるのは秦人でしょ」
「もういいよ・・・・・早く仕事行かないと遅れるだろ」
柊弥が仕事に行ったあと俺は3階の友達の見舞に行った・・・・右足はギブスに繋がれ右腕もギブスでぐるぐる巻きになってた、骨折はしてないと言っても左手も左足も痣だけ傷だらけで顔も酷い状態だった。
金曜から俺が7階に住んでるなんて思ってもいないだろうなって思いながら病室を出た。
庭に出て散歩して6階のラウンジでコーヒーを飲むエレベーターのカードキーを使えば代金はいらない・・・・・ぼんやり外を眺めて時間を潰して7階の部屋に戻る。
結局それほどやりたいことも行きたいところもなかった・・・・・
12時になると柊弥が帰ってきて一緒に6階でランチを食べる、今日の日替わりはハンバーグだった。
柊弥は食事が終わったら今夜の晩御飯の材料を買いに行くって言うから俺も一緒に行って買ったものを俺が持って部屋に帰った。
買い物したのを冷蔵庫に入れる。
柊弥が帰ってくるまでの時間が長い・・・・・・
6時エレベーターの扉がチンと鳴って柊弥が帰ってきた。
「柊弥おかえりー」
「秦人ただいまー」
柊弥は今夜もすぐに着替えると料理を始める・・・・・それを俺はすっと見てる。
「秦人夕飯食べる前にお風呂入ってきたら」
「ごはん食べてからでいいよ・・・・・・柊弥より先に入るって悪い・・・・」
「なにそれ・・・・・今までは先に入ってたのに・・・・・」
「あれは肩が痛かったからで・・・・・今はもうそうでもないから特別待遇しなくていいよ」
「そうじゃないよ・・・・・まだ下着きれないなら着せてあげるけど・・・・・」
「もう着れる」
晩御飯が出来上がって一緒に食べる。
食事の後は一緒にキッチンへ行って片づけをした。
柊弥が先にお風呂に入って次に俺が入る・・・・・・・柊弥は今でも俺の髪をドライヤーで乾かすために待っていてくれる。
ドライヤーが終わって柊弥が俺をソファーに誘った。
「秦人に提案があるんだけど聞いてくれる?」
「提案ってなに?」
「一緒にここに住む話なんだけど・・・・」
「うん」
「秦人はなんの確約も無くここに住むのが不安なんだよね」
「まぁー確約って言われてもあれだけど・・・・・」
「だったらさ・・・・・今秦人が使ってる部屋を俺が秦人に貸すってどう?
もちろん家賃払って」
「今のマンションを出てって事?」
「そう、今のマンションからあの部屋に引っ越す。あの部屋にはキッチンもバストイレもないから今のマンションより安くするし、食事は俺が作って一緒に食べてお風呂とかトイレは共用だから交代で掃除するって事にすればいいんじゃない」
「なんかルームシェアみたい」
「そうそれ・・・・・私と秦人でルームシェアするんならいいでしょ」
「家賃払うんだったら、大家さんと店子って関係になるんだ・・・・・」
「あの部屋は秦人専用の部屋にして鍵も付ける・・・・」
「それならいいかなぁー」
「でもベッドは今のままだけど・・・・・いい?」
「なんであの部屋にベッド持ってくればいいじゃん」
「ベッド置いたら狭くなるでしょ」
「あの部屋今の俺の部屋よりずっと広いじゃん・・・・ベッド普通に置けるよ」
「今までみたいに一緒に寝るのいや?」
「柊弥と一緒に寝るのがいやとかじゃないよ、ただ・・・・・部屋を借りてここに引っ越したのに一緒に寝るって変だろ」
「・・・・・・じゃぁ、寝るのはまた考えるとして・・・・・ここに引っ越すのは賛成って事でいいんだね」
「家賃いくら?」
「今のマンションは?」
「6万」
「だったら3万でいいかな、キッチンもバストイレも共用だから」
「いいの?OK明日引っ越す」
これって俺にとっては好条件って事だよね・・・・・食事つきだしバストイレ超綺麗だし・・・・・
手作りの朝ご飯食べて仕事行って終わったらここに帰ってくれば晩御飯も食べられて・・・・・最高!
でもなんか・・・・・・条件良すぎな感じするけど・・・・・・
取りあえず今夜も柊弥と一緒にベッドに入る。
柊弥は俺の事をじっと見ながら寝てた、一緒に住めるって決まって安心したのかすぐに熟睡してる。
寝顔を見てたら意外と可愛かった・・・・・・俺・・・・・・やっぱりベッド持ってくるのやめようかなぁー。
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