2人の夜

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2人の夜

あいつは荷物の搬入が終わるとすぐにキッチンでお昼ご飯の準備を始めた、出来上がった食事を二人で食べる。 これから毎日こうやって二人して朝と晩一緒に食事をとるのかと思うと照れくさいと言うか俺は何もしないで食べてるだけでいいのかと思ってしまう・・・・・ そこでハタと気が付いた。 「柊弥、ところで食費の事聞いてないけど・・・・いくら?」 「それはいらない」 「なんで?毎日朝と晩食事するんだったら食費払わないとダメだよね」 「家賃に入ってる」 「えぇ・・・あれ食費込みなの?それで3万・・・・・安すぎだろ」 「かまわない」 「・・・・・・って言われてもなぁ」 いくら言っても食費はいらないって言われてこうなれば絶対あいつは引かないってのがこれまでで分かってるからそれ以上俺も黙ってしまった。 食事が終わって自分の部屋へ戻る・・・・・・することは特にないけどやっぱり俺の部屋ってだけでくつろげる気がした。 夜になって食事が終わり風呂に入る。 掃除は交代制って事は後に入った人が掃除するって二人で決めた・・・・トイレも風呂と同じ人がすることになる。 冷蔵庫の飲み物などは各自好きなものを買って入れておいてもいいし入っているものはどれでも飲んでいいと決めた。 特に飲んでほしくないものや食べてほしくないものには名前を書いておくことに決めた。 俺は風呂から出るとすぐに部屋に入った・・・・・ 一人暮らしの時のようにスマホでゲームをしたりSNSを見たり・・・・そう言えばあいつといるときは何をして夜の時間を過ごしていたのか・・・・ TVを見るわけでもなく・・・・かと言って一人スマホでゲームをしていたわけでもなく寝るまでの時間あいつと何をして過ごしたっけ? 部屋に入って今あいつは何をしてるのかと気になってきた・・・・ ドアの外で何かをしているような音はしていない・・・・・そっとドアを開けてリビングを覗いてみる。 あいつはソファーに座って本を読んでいた・・・・・邪魔するのも悪いし・・・・・でもなんだか一人寂しそうでもあるし・・・・・声をかけるかどうしようかと迷っていると・・・・ 「秦人どうしたの?」 「うぅん・・・・・別に用事ってわけじゃないけど・・・・・何してるかなて思って・・・・」 「本読んでたよ」 「そうなんだ・・・邪魔してゴメン・・・・引っ越し手伝ってくれてありがとう」 「もう部屋片付いた?」 「あぁー」 「これからよろしく」 「こちらこそ」 「秦人は仕事から帰ったら部屋で何してるの?」 「何って・・・・・・特に・・・・・」 「特にないんだったら寝るまで一緒に話しよう」 「うん・・・・・いいよ」 俺はあいつと一緒にソファーに座って来週から行く仕事の話や朝は何時に出るとか終わるのはだいたい何時くらいとか・・・・残業の時の食事はどうするとか・・・・・仕事終わりに飲みに行って食事が要らない時はメールするとか・・・・・細かい事を決めた。 仕事が始まるまであと3日・・・・・職場はここから3駅で今までよりも近くなった。
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